洗面台のフタを上げ下げする棒(つまみ)が動かない修理

洗面台に棒状のパーツ(つまみ)が取り付けられた製品があります。棒を操作して栓を閉めると洗面ボウルに水をためられるため、掃除のときに大変便利。しかし、この棒は動かなくなることがあるのです。

今回は、洗面台のフタを上げ下げする棒が動かないときの修理について解説します。

※この記事は、修理事例をご紹介しており、自分で修理ができる方法をご紹介する内容ではありません。

ポップアップ排水栓の故障

記事のタイトルに「洗面台のフタを上げ下げする棒(つまみ)」という表現を使用しました。まずこちらについて解説します。
洗面台のフタというのは、洗面ボウルの排水口のフタ(栓)のことです。湯や水をためるときは、このフタを閉めますよね。フタにチェーンがついているタイプもありますが、フタの開閉を棒で操作するタイプもあるのです。

つまみ

上の画像の矢印がポップアップ排水栓です(あくまで一例です)。この棒を操作することで、洗面ボウルにあるフタを上下させて、開閉することができます。

「フタを上げ下げする棒(つまみ)」についてある程度のイメージができたでしょうか。

さて、本題に入りましょう。
この棒を下に押す、上に引くことでフタが上下する仕組みですが、使用していると動かなくなることがあります。原因は、パーツの故障です。

パーツ故障の原因

ポップアップ排水栓の棒が動かない原因はパーツの故障ですが、ではなぜパーツが故障するのでしょうか。その理由の多くは経年劣化です。年数が経過すると、水栓に使用されているパーツが劣化していきます。これを経年劣化と呼びます。また、外圧でパーツが損傷することもあり得ます。水栓の棒になんらかの原因で力が加わることです(上から物が落下する、掃除中に手が当たるなど)。しかし、実際はほとんどの場合、経年劣化が原因だと言えるでしょう。

普段洗面ボウルのフタを動かさないので、そもそもほとんど棒は使っていないという方もいるかと思います。それでもなぜ故障? と感じるかもしれませんが、使用頻度が低くても、どんなにていねいに使用していても、パーツは経年劣化をすることがあるのです。

 

さて、棒を操作することでフタが開閉するタイプの水栓には、ワイヤー式とポップアップ棒式の2種類がありますが、ここではワイヤー式に焦点をあてて解説します。

タカラスタンダードのワイヤー式ポップアップ排水栓の修理事例

見出しにある「タカラスタンダード」というのは、メーカー名です。
お客さまから、「洗面ボウルのフタが動かないので修理に来てほしい」という電話が入りました。
事情を聞いてみると、洗面ボウルに水をためようとして棒を操作したところ、棒が動かなかったそうです。このお客さまは、日ごろから掃除の際に棒を操作して水をためていたため、棒が動かないと不便になります。さらにフタが閉じた状態で棒が動かなくなったので、これでは洗面設備が使いにくいため、すぐに修理業者を呼ぶ選択をしたそうです。ネット検索したところ、当社のブログがヒットして修理依頼の電話をくれました。ありがとうございます。
ポップアップ水栓修理水栓画像
上の画像が今回の洗面設備です。

水栓の横に黒色矢印で示しているのが、今回の棒(つまみ)です。今回の洗面台はタカラスタンダード製のものでした。たしかに棒が動きません。無理に動かそうとすると破損するような状態でした。この状態で無理に力をくわえると、棒が折れることがあります。直るどころか、破損のリスクもあるため、無理に力を入れないことをおすすめします。

点検したところ、パーツの劣化が原因で棒が動かないとわかりました。お客さまに原因を伝え、修理費用の見積もりや修理方法を案内。

同意が得られたので、今回の修理で必要なパーツを取り寄せます。パーツは下の画像で、赤色に囲っているものです。

パーツ入荷後に再度修理をいたします。

 

修理当日、洗面ボウル下の収納扉を開けると、水栓に使用されているパーツやパイプ類があり、今回は赤線で示したパーツを交換します。

ポップアップ水栓修理作業中

新しいパーツに交換すれば、トラブル症状を解消することができますが、パーツ選びには注意が必要です。メーカーによって規格が違うので、なんにでも交換はできないのです。今回は適合性を調べた上で、新しいパーツを用意しました。

ポップアップ水栓修理作業中

不具合のあるパーツを取り外して、用意しておいた新しいパーツに交換しました。
洗面水栓の棒を操作したところ、動作はスムーズです。念のためにお客さまにも操作してもらい、問題がないことを確認していただきました。

【棒が動かないときの応急処置】

当社は可能な限り早急に修理対応するよう心掛けていますが、パーツの取り寄せ等がある場合は、入荷後に再訪問をして修理をすることがあります。フタを閉めた状態で動かなくなった場合に洗面台に水がたまって不便がある場合は、コップなどでたまった水をかきだすか、洗面所ではなくキッチンや風呂場を使用してください。
洗面ボウルのフタの隙間に細い棒やヘラなどを挟んで、無理矢理に開けようとすることはおすすめしません。洗面ボウルに傷がつくことや、フタが破損するおそれがあります。

当社へご依頼の際は洗面所の写真の送付をお願いします

当社に修理依頼をご依頼くださる場合は、洗面台の写真の送付をお願いします。
修理パーツは製品によって規格が異なるため、修理のためにも事前にメーカーや品番がわかるとスムーズに対応ができるため、ご協力ください。

撮影していただきたいのは次の3つです。

  • 洗面台上部
  • 配管まわり
  • 製品情報シール(品番・型番・メーカー名)

【洗面台上部】
洗面台上部は、水栓(蛇口のこと)、棒が写るように撮影をお願いします。

【配管まわり】
洗面ボウル下の収納扉を開けると、パイプが複数あるかと思います。太いものが排水パイプ、細いものが給水パイプなのですが、これらがすべて映るように撮影をお願いします。収納内での撮影は暗くなりやすいので、カメラのフラッシュ機能またはライトを点灯させた上で撮影してください。

【製品情報シール】

写真は、下の画像を参考にして撮影をお願いします。

ポップアップ水栓修理製品シール

洗面ボウル下に観音開きの収納扉があるかと思います。この扉を開けると、左右どちらかに製品シールが貼られています。こちらの画像をお送りください。見やすいように、洗面所室内灯をつけた上での撮影をお願いします。また、画像保存の際に縮小すると製品情報が読み取れなくなります。送付の際はオリジナルサイズのまま送ってください。画像の送信は、当社のメールフォームよりお願いします。

画像の送付や修理についてご不明点がある場合は、当社までご相談ください。
【関連ページ】
こちらの記事もご参照ください。
洗面台ボウルのフタが外れずに詰まりやすい時の対処法【洗面所つまりの知識】

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