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床下に溜まっている水を抜いて水漏れ箇所の調査と修理
多くの人は家の床下に水が溜まっていたり、水漏れしたりとうことを最初から想定はしていません。
マンションやアパートなどで、エレベーターの地下ピットに水が溜まっているときは、水抜きをすれば済むのですが家の構造部分に影響を及すようであれば、お早めの対処が必要ということが多々あります。
床下の水漏れでは、まずは正しい原因を知ることで大きなトラブルを回避するのが大切なポイントです。
本記事では『床下に水がたまる水漏れ』について、必要な知識をまとめましたのでご参照ください。
床下に水がたまる水漏れ(漏水)の解消方法
なぜ、家の床下に水がたまるのか、その理由の1つは排水管や排水パイプが割れたり、抜けたり、外れたりするために、直接床下に水が流れ続けるからです。
こういった場合には、数センチから10cmを超える水がたまった状態になっていることがあります。
マンションや戸建住宅(築年数が10年以上)の床下には、水が溜まっていることが珍しくないので、たとえば、床下が土ならばたまった水が自然と流れて抜けていくのですが、マンションやベタ基礎の戸建住宅の場合には、水が抜けずにたまっていくので、まずは排水ポンプなどで水抜きをする必要があります。
普段の生活では床下を覗いてみることはあまりないので、床下に水がたまっているということは想像ができないかもしれませんが、私自身も実体験として資産価値にも影響を及すと感じることもあり、うちは大丈夫だろうと簡単には片付けられないので、主な原因と対処法をみていきたいと思います。
▼床下に水がたまってしまったら…
- まず最初に水抜きをします
- 次に水がどこから漏れているのかを調査(点検)
- 原因を特定したら修理をします ※必要があれば最後に消毒や防蟻処理などを施すこともあります
基本的な流れは1〜3になりますが、点検口がない場合などや二次被害がおきていたりすると原因の特定がしにくくなることもありますので、調査を依頼するときには「水の流れる音がする」「最近匂いが気になる」など、気になることがあればどんなことでも伝えておいた方がいいと思います。
水道管の破裂の記事を読んでみる▼
水抜き、汲み出しの道具
床下に水がたまってしまっている状態では水抜きをしていきますが、どのようにして水をぬいていくのかを見る機会はあまりないと思います。
大体は水の量によって使う道具を使い分けていくのですが、一般的にはたまっている水の量が多い場合には排水ポンプで水抜きをしていきます。
水が数センチ程度しかたまっていないのであれば、乾湿両用の集じん機や掃除機を使用していくことが多いです。
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- たまっている水の量が多い場合:排水ポンプを使用して水抜きをする
- たまっている水の量が少ない場合:乾湿両用の集じん機や掃除機を使用して水を吸い出す
床下は乾燥しにくい場所ですので、水抜きをした後にはしっかりと乾燥させます。どうしても水抜き後の乾燥を急ぎたいという場合には、送風機で空気を循環させながら水を蒸発させていきます。
床下の水漏れの主な原因3つ
床下からの水漏れの原因を知らないというのは、現実的ではありません。
ほとんどは「給水管からの水漏れ」「排水管からの水漏れ」「雨などの外から浸水」などですが、床下からの水漏れといっても、場所によっては地中に埋まっている配管が破損してるため地中から水がでてきたり、上階の天井から水漏れの症状がでてきたりと対処法も異なります。
すぐに水漏れの症状に気付くことができるといいのですが、水漏れに気付くのが遅れると木材の腐食が進行していることもありますので注意が必要です。
配管からの水漏れは、その原因が経年劣化によるものが多いので仕方がないと思いがちですが、集合住宅の場合は起きてしまった原因によっては責任が問われますので、できるだけ知識を持っている方がいいと思います。
ここではまずは主な原因などからみていきます。
給水管からの水漏れ
まず、ケースとして多いのが、給水管からの水漏れです。
給水管からの水漏れはキレイな水なので匂いがないことと、破損が大きい時には水がジャージャー流れてくるので水の量が多いのが特徴です。水が流れる音が聞こえてくることもあります。水を使用していないのに水道メーターが回っているのならば、給水管からの水漏れということがわかりますので目安にしてみてください。
よくある事例としては「架橋ポリエチレン管や銅管のピンホール」や、鋼管の場合には「バルブなど異種金属の接続部の破損」などです。
異種金属の腐食というのは異なる金属どうしの接触により一方の金属が腐食が進む現象です。接続部からの水漏れなどは起こりやすくなります。
水道料金が高いので気になって調査をしたところ、地中に埋まっている水道管が破損していたというケースもありましたので「最近、水道料金が高くなったような気がする」という場合には給水管が破損している可能性があるかもしれません。
水道局への減免申請についてなど、ご不明な点はご相談ください。
【給水管の種類】 | 【給水管の状態】こんな症状があります |
架橋ポリエチレン管 | ピンホールと呼ばれる穴が開く |
銅管 | ピンホールと呼ばれる穴が開く・異種金属接合部の腐食破損 |
排水管からの水漏れ
給水管と同じく、排水管からも水漏れすることがあります。
排水管といっても使用されている素材の耐用年数や劣化状況なども異なりますので、その原因を特定することが大切です。よくある事例としては「排水管や排水パイプの割れ、破損」や「排水管の接続部がはずれたことによる漏水」などです。
排水管からの水漏れは、水漏れに気づくのが遅れてしまうことがあり、床下がカビだらけになっていたり、木材が水分を含んでしまっていることもあります。
キッチンの水漏れ修理の記事を読んでみる▼
雨などの外からの浸水
「雨が降った時に床などが濡れている」「台風や大雨などの自然災害などで床下に水がたまった」という経験はありませんか?
半地下や地下室がある家屋では、大雨で水が流れ込んだ水圧で玄関の扉が開かなくなってしまったり、エレベータの地下ピットに雨水がたまったりすることもありますが、自然災害なのでどうしても避けられない面があります。
そのまま水が引けるだろうと考えるかもしれませんが、基礎がコンクリートなどでは水がいつまでも残ってしまいまいます。マンションなどではどこに水が流れていくのかわからないので、困ってしまいます。
床下にある配線などがショートしたり漏電するようなことは、避けたいものです。地域一体で浸水するような時には、業者に依頼してもなかなか順番がまわってこないこともあります。
このような時も修理後に水を抜いて、しっかりと乾燥させて消毒などをしておくようにしましょう。
マンションやアパートなどの階下漏水
一戸建てとマンションなどの集合住宅との大きな違いは、下階への漏水が起きたときの責任問題です。
マンションやアパートなどで床下の配管から下階の部屋に水漏れしてしまうと、室内の家具や電化製品などに損害がでてしまったり内装工事費やクリーニング代などがかかるなど、被害が大きくなることもあります。
床下は普段生活していても見えない箇所ですので、気付いた時にはかなりの量の水がたまっていて、下階の天井から水漏れしてから気づくことが多いので注意が必要です。
たとえば5階の床下の配管から、4階、3階、2階と複数の部屋に被害を及ぼすこともあります。複数の部屋の水漏れの調査や内装の復旧、被害の補償などでかなりの費用がかかることが予想されます。
そのため、加入している火災保険の内容を確認していくことも必要です。個人賠償保険などがついていれば被害額を補償できることもあるので、火災保険の契約内容を把握しておくとよいでしょう。(マンションの共用部分についてはマンション全体で加入していると思いますので、漏水調査費などの対応ができるか管理会社に確認しておきましょう)
この部分が非常に大きなリスクの差になってきます。
実際に、マンション、アパートは上の階からの漏水はよくおこります。
築浅のRC(鉄筋コンクリート構造)やSRCマンション(鉄骨鉄筋コンクリート構造)では、階下漏水しないこともありますが、コンクリート部にひび割れがある場合は、そこから階下に漏水することもあります。
どこにひび割れがあるのかは目には見えないので、どこから水がしみでてくるのかもわからないのですが、天井から水漏れした場合には、上の階にある部屋の調査をしていく必要があります。
配管の破損箇所の責任の所在は上階なのか、下階なのか、管理組合なのかは部位によって異なります。マンションのルールである管理規約などもチェックしておくとよいでしょう。
水漏れの調査と修理
出典:住宅産業協議会
床下にたまっている水漏れの調査では、床下の高さがある戸建住宅は床下に入って調査していきます。マンションなど床下に入れない場合は、ファイバースコープカメラなどを使用した調査をするか、カメラが入っていかない場合には、床板をはがして調査と修理を行うこともあります。
床下を剥がした時に点検口を作っておくと、次に不具合が起きた時に点検口から簡単に調べることができるので、調査をするときに次回も点検しやすいようにしておくのがおすすめです。
▼気になることを相談してみる
Webフォームでのご相談用
「床下で水がどれだけたまっているのか?」「水漏れの原因はどこか?」「二次被害がおこりそうか?」「メンテナンスした方がいい箇所はないか?」などを確認して、状態に応じた修理をしていきます。
ご家庭で出来る床下点検
ここでは、ご家庭でできる床下点検についてみていきます。
戸建住宅の場合には屋外から床下通気口を覗いていきます。床下収納がある場合は、収納のフタを開けて中の収納ケース(箱のような入れ物)を取り出すと床下の状態が見えますので、チェックしておきましょう。
マンションなどの場合には、点検口などがあれば覗いてみますが、一般的には床下のチェックはご家庭では難しいと思います。
一般的な水漏れのチェック方法としては、水道メーターのパイロットを確認します。もし回転していれば、給水管から水が流れているということになりますので、水道メータから水道蛇口までのどこかで水漏れしている可能性が高くなります。
排水管が破損している場合には、パイロットランプでは確認できないので、水回り設備の床下を点検する必要があります。
まずは水漏れ調査から
水漏れの原因は経年劣化や天候など、いつ起こるのかを前もって知ることはできないからこそ、計画的にメンテナンスや調査をした方がいいのではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。
「台風や大雨が原因で床下に水がたまっている」「エコキュートへの交換やリフォームなどが原因で水漏れしている」「マンションの天井から水漏れしている」など、ある日、水漏れに突然、気付くということが多いのですが、すでにカビだらけになっていて床下でなめくじなどの害虫が発生していることもありました。
水漏れの原因にはあまり関心がない人が多いように感じるのですが、床下にたまる水漏れの原因には排水管や給水管が関係していることが多いので、今回、水漏れの調査や修理の知識として理解していただければ幸いです。
水漏れの調査時に、点検口を作っておいて次に備える、メンテナンスをしておくなどの長期的な視点も必要なのかもしれません。
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