賃貸で取り付けた壁ピタ水栓の取り外し現状回復
その一例が「壁ピタ水栓」の取り付けや交換です。壁ピタ水栓は、省スペースでスタイリッシュなデザインが特徴ですが、原状回復時には注意が必要なポイントが多く含まれています。
本記事では、壁ピタ水栓に関する基礎知識から、原状回復の対応方法、さらに費用や具体的な工事事例について詳しく解説します。
壁ピタ水栓とは？
壁ピタ水栓は、壁面に直接取り付けることで台付き水栓よりも省スペースで効率的な設計が特徴です。シンプルで洗練されたデザインは、キッチンや洗面所をすっきり見せ、新築やリフォームで人気を集めています。また、家庭から商業施設まで幅広いシーンで活用される実用的な水栓です。
壁ピタ水栓のメリットとデメリット
シンク周りを広く使え、料理や洗い物がしやすくなることから作業効率の向上が期待できたり、台座が不要なため、限られたスペースでも快適に過ごせたり、スタイリッシュな空間をデザインできたりと、メリットは数多くあります。
一方のデメリットですが、壁に取り付けるため設置部分に強い負荷がかかり耐久性が乏しくなる点や、取り付けの際壁の強度や内部配管の位置などいくつかの条件を満たす必要があるといった点です。
賃貸物件の原状回復とは？
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に入居時の状態に戻すことを指します。この作業には、入居後に取り付けた設備の撤去や、取り付け工事による変更部分の復旧が含まれます。特に壁ピタ水栓の場合、ビス穴が残ることが多く、その修復が必要になるケースがほとんどです。壁ピタ水栓のビス穴について
大前提として、壁ピタ水栓は、メーカーの指示に従って設置する場合、直径6mmほどのビス2本を壁にねじ込む必要があります。このビス穴は、日常的に気になることは少ないかもしれませんが、オーナーにとっては損害とみなされる可能性があります。退去時のトラブルを防ぐためにも、事前に管理会社へ確認し、必要であればビス穴をパテなどで埋める対応を行いましょう。壁ピタ水栓を取り付ける時に管理会社の許可を得ている場合の原状回復
管理会社から取り付け許可を得て壁ピタ水栓を設置した場合でも、退去時の原状回復義務が免除されるかどうかは許可を得る際に合意した条件によります。許可があったから原状回復はしなくてもよい、といったことはありませんので、必ず合意の際の条件を確認してみてください。元の状態に復旧することが求められるケースが多いかと思いますが、具体的には、壁ピタ水栓を取り外して、元の蛇口を取り付け、壁に開けた穴を丁寧に補修する必要があります。 また、壁材に損傷がないかどうかも確認し、必要に応じて補修を行う必要があります。
許可申請時の書類やメールなどを保管し、退去時に管理会社とスムーズにやり取りできるように準備しておきましょう。
壁ピタ水栓を取り付ける時に管理会社の許可を得ていない場合の原状回復
管理会社の許可を得ずに壁ピタ水栓を取り付けた場合は、退去時の原状回復費用を全額負担する責任が借主にあります。これは、賃貸借契約において、勝手に設備を変更することは認められていないためです。この場合、壁ピタ水栓の撤去はもちろんのこと、ビス穴の完璧な補修、そして元の蛇口の再取り付けが必須となります。特に、元の蛇口が破損していたり、廃盤になって入手困難な場合は、同等品またはそれ以上の性能を持つ蛇口を用意して交換する必要があるため、予想以上の費用がかかる可能性があります。
そのため、許可を得ずに設備変更を行うことは、非常にリスクが高い行為であることを理解しておきましょう。
でも設置許可を得ていないと後々大変なことになってしまいます…
事前に許可を得て、退室時に壁ピタ水栓は取り付けたままで原状復帰をしなくても良いことになっているケース
管理会社と事前にしっかりと協議し、特別な合意を得ている場合は、壁ピタ水栓を取り付けたまま退去できるケースがあります。しかし、この場合でも、合意内容を明確に文書化しておくことが非常に重要です。メールや契約書への記載など、証拠となる資料を残しておくことで、退去時のトラブルを未然に防ぐことができます。書面による合意がない場合、管理会社は壁ピタ水栓の撤去と原状回復を要求する可能性があり、追加費用が発生するリスクがあります。合意内容の明確化は、後々のトラブル防止に繋がる重要なステップです。 退去予定が決まったら、早めに管理会社と連絡を取り、合意内容を確認し、文書化しておきましょう。
原状回復の費用（料金）
当社にご依頼頂いた場合、壁ピタ水栓の撤去と元の水栓の再取り付けには、以下の費用が発生します。- 単水栓の場合：16,500円
- 混合水栓の場合：上記料金に3,300円を加算
※なお、元の水栓やパーツを紛失した場合は準備をしてお伺いする必要があるため事前にお知らせください。
壁ピタ水栓を取り外し元の蛇口を取り付けた工事事例
壁ピタ水栓を取り外し元の蛇口を取り付ける復旧工事の一般的な流れをご紹介します。今から同様の修理を依頼しようかな…と検討中の方に、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。- 現地調査
設置状況や元の水栓の状態を確認し、必要な工具や部品を準備します。 - 水道の元栓を閉じる
水漏れを防ぐため、作業開始前に元栓を必ず閉じます。 - 壁ピタ水栓の取り外し
ビスを丁寧に取り外し、水栓を分解します。 - 接続部分の清掃
取り外し後の接続部分を清掃し、新しい水栓を取り付ける準備を整えます。 - 元の蛇口の取り付け
事前に保管していた元の蛇口を取り付け、必要に応じてシーリングを行います。 - 水漏れチェック
水道を開いて水漏れがないか確認し、作業を完了します。
許可を取ったと思っていた壁ピタ水栓、ビス穴補修に焦点をあてた原状回復事例
ある修理の依頼主は、賃貸物件に住むご兄弟。住人のお一人が「壁ピタ水栓の設置には管理会社の許可を取っていた」と思い違いをされてしまっていたようで、入居後すぐに壁ピタ水栓を設置。しかし、退去を控えて管理会社に確認したところ、許可が取られていなかったことが発覚しました。契約違反となるため、元の蛇口への交換と原状回復が必須との指示を受けました。
まず、保管していた元の蛇口を再確認。取り外し時に傷や不具合があったため、同等性能の新品に交換しました。次に、壁ピタ水栓の設置跡で目立っていたビス穴の補修に取り掛かりました。この作業が最も重要であり、丁寧な施工が求められました。こちらでは、その際に対応させて頂いたビス穴補修のプロセスに焦点をあてご紹介いたします。
ビス穴補修の施工プロセス
- 下地処理
まず、壁に残ったビス穴の周辺を清掃し、汚れや粉じんを取り除きました。次に、欠けた部分を確認し、目立つ穴はパテ埋めをする前に、補強材を挿入して強度を確保しました。 - パテ埋め
専用の補修パテを用い、ビス穴に丁寧に充填。平らになるようヘラで表面を均し、しっかり乾燥させます。この工程で乾燥時間を守らないと、後の仕上がりに影響します。 - 仕上げと塗装
パテが完全に乾燥した後、サンドペーパーで滑らかに研磨し、壁材に合わせた塗料で丁寧に塗装を施しました。色合いが目立たないよう調整し、仕上げました。
まとめ
原状回復をスムーズに進めるためには、まず管理会社とのコミュニケーションを密にすることが大切です。設置の前に許可を得るだけでなく、退去時の具体的な復旧方法や費用についても事前に把握しておくことで、トラブルを防ぐことができます。また、復旧作業は経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。弊社では、親切丁寧なヒアリングを通じてお客様のご希望やご不安をお伺いし、最適なご提案をさせていただいております。これまでの豊富な実績を活かし、確かな技術と迅速な対応で原状回復のお手伝いをいたします。大切な暮らしを守るためのサポートをお任せください。まずはお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。原状回復の作業をスムーズに進め、安心して退去手続きを終えられるよう全力でサポートいたします。
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