ご家族に要介護者がいらっしゃると、「尿取りパッドが何回もトイレに詰まってしまって困っている」という方も少なくないでしょう。今回は、尿取りパッドをトイレに詰まらせてしまったときのために、注意点とご家庭で修理するための便利ツールについて紹介します。

手で取り出せたらベスト

尿取りパッドを詰まらせないためには、可能であれば「手で素早く拾う」のがベストです。
というのも、尿取りパッドに含まれる吸水ポリマーという物質が便器内の水を急速に吸収して、時間がたつと大きく膨れ上がってしまうためです。もちろん抵抗はあると思いますが、尿取りパッドが吸水して膨張する前に素早く手で取り出すのが被害を最小限にする方法です。ナイロン手袋などをつけて取り出したいところですが、手袋をつけている間に尿取りパッドがどんどん膨張してしまうので、素手でスピード勝負に出るのが最善です。

これだけはやってはいけない！

大量の水で流そうとする

尿取りパッドが便器内に落ちたら焦って水で流そうとしてしまうかもしれませんが、そうするとかえって事態を悪化させてしまいます。吸水ポリマーにより流れた分の水を吸収してしまい尿取りパッドがその分大きくなり、より一層取り出しづらくなってしまいます。

ラバーカップで取り出そうとする

ご家庭でできるトイレ詰まり解消法の代表格であるラバーカップですが、尿取りパッドの詰まりにはおすすめできません。尿取りパッドが奥へ奥へと押し込められてしまい、詰まりの悪化の原因になります。

真空パイプクリーナーで詰まりを解消する

真空パイプクリーナーとは？

真空パイプクリーナーは、トイレ・お風呂・キッチンなどの排水管・排水パイプが詰まったときに使用する配水管・排水パイプの洗浄器具の一種で、「真空ポンプ」とも言います。基本的な原理はラバーカップと変わりませんが、ポンプを使うことでラバーカップと比較して吸引力と押し上げる圧力が強力になっています。
この真空パイプクリーナーを使って尿取りパッドや紙オムツを自分で取り出せる可能性があるのです。

どうやって解消する？

次の手順で行います。

(1)便器の水量を調節する
先端のお椀のようなゴムカップの部分がちょうど水に浸るくらいまで便器内の水を減らすか、追加します。
(2)真空パイプクリーナーのハンドルを押しながら便器に押し付ける
ハンドルを押し込んで、先端のゴムカップを便器との隙間がないように押し当ててください。空気中でハンドルを押し込んでおくことと、ゴムカップが押しつぶれてカップ内が真空状態になるまで強く便器に押し付けることがコツです。
(3)ハンドルを引く、押す
シリンダー部分をしっかりと握ってハンドルだけ強く引きます。ハンドルを引いたら必ず便器から離して、空気中でハンドルレバーを押し込みましょう。
(4)尿取りパッドを引っぱりだす
(2)(3)の作業を10回ほど繰り返して、尿取りパッドを引っ張り出します。

しばらくやっても重さや引いた手ごたえを感じられないときは、業者に相談することをおすすめします。

掃除口付き便器で解消する方法

掃除口付き便器とは？

詰まりが発生した場合にご自身で比較的簡単に解消できるように設計された「掃除口付き便器」を導入するというのも一つの手です。このタイプの便器には、詰まりが生じやすい排水経路の曲がり角のあたりに掃除口がついています。この掃除口を開ければ、便器を設置したまま詰まりの原因を確認したり取り除いたりすることができます。従来型の便器と違い、便器の取り外しなどで復旧に時間がかかるといったリスクを減らせます。

どうやって解消する？

便器のメーカーにより違いはありますが、掃除口付き便器での尿取りパッドはおおよそ以下の手順で取り出せます。
(1)掃除口のふたを外す
六角レンチ等（メーカーで異なる場合がございます）で掃除口のふたを取り外します。
(2)詰まっている場所を確認する
ふたが外れたら内部を確認して、どこに尿取りパッドが詰まっているか確認します。この時、ペンライト等があると内部がよく見えて便利です。
(3)尿取りパッドを取り除く
市販のトング等を使用して、尿取りパッドを取り出します。このとき、トング等を奥深くまで入れすぎないよう気をつけましょう。

困ったら水道修理のプロに相談を！

ここまでご自身でもできるトイレの尿取りパッド詰まりの解消方法をお伝えしましたが、「手順が分かってもほんとうに正しくできるのか不安がある」「修理の最中に便器や排水管を傷つけないか心配だ」という方もいらっしゃると思います。当社には豊富な修理例があり、トイレの詰まりの解消はもちろん、掃除口付き便器の取り付けについての相談も承っております。悩んだらまずは一度ご相談ください。