キッチン(ステンレス)シンクに穴があいた水漏れの修理と流し台交換
キッチンのシンクに穴が開くというのは、どんな状況だと思いますか?
「キッチンシンクに包丁が刺さって、穴が空いてしまった」「ステンレスシンクの錆を落とそうとして、傷がついてしまった」など、ちょっとした不注意や経年による劣化が原因で穴が開いてしまうこともあります。もし、そうなったときに、どうしたらいいのかということで、「どんな応急処置の方法があるの?」「修理をするにはどんな選択肢があるの?」というお悩みにぶつかると思います。
そこで、『キッチンのステンレスシンクに穴が開いてしまった場合の、修復方法を知りたい』という方に、どんな修理方法があるのか、どうやって修理していくのか、について解説していきたいと思います。
キッチンのシンクの素材について
キッチンのシンクには大きく3つの素材があります。素材によって特徴が異なります。
いろいろな素材や機能などがありますが、シンクに穴が開いて困っているというのは、ステンレスシンクがダントツに多いです。
・ステンレスシンク ※傷や穴、錆などのお問い合わせが多い
・人工大理石シンク
・クォーツシンク
・ホーロー製シンク
ステンレスシンク
多くのキッチンはステンレスシンクが使われています。傷が小さければ錆が増えることはないのですが、タワシなどでこすると錆が出来やすくなることがあります。
通常のステンレスシンクは「SUS403」と呼ばれる素材で作られています。純正ステンレスやSUS403の上位素材(高価な素材)であるSUS304素材は磁石が付きませんが、SUS403素材は80%ほどが鉄なので、当然のように磁石が付きます。
錆移りがしやすいので、他の金属(スプーンなど)を置いたまま放置しないなどの注意が必要です。また、シンクはその用途から排水口の丸い型枠下に水が溜まりやすいため、SUS403素材の場合は排水口の丸枠下部(見えない箇所)が錆びて穴があくことがよくあります。
人工大理石シンク
人工大理石のシンクはデザインや色などで高級感のある見た目です。水垢が目立ちにくく、熱やシミなどで変色しやすいという特徴があります。
クォーツシンク
クォーツシンクはクォーツと言われる水晶でできています。汚れが浸透しにくいため、変色や変形などが起こりにくくお手入れもしやすい素材です。
ホーロー製シンク
ホーロー製シンクは日本ではあまり普及していないのですが、金属とガラスの特性を持っていて、傷がつきにくく耐久性にも優れています。
穴があいている箇所をコーキングで応急処置:補修方法1
キッチンのシンクに穴が開いてしまった場合には、まずは水漏れを防ぐことを考えると思います。
そんな方にまずお話ししているのは、取り合えずは穴があいている箇所にコーキングを塗って穴を埋めることができます。一時的な対処法ですが、長ければ半年から1年近くも水漏れを防げる可能性はあります。
ただ、作業にはコツが要るので、簡単な作業ですが業者に依頼することをおすすめします。
なお、一時的な対応ではなく、【具体的に補修をする方法(補修方法2・3)】があります。
シンク天板の交換と事例紹介:補修方法2
では、気になる具体的な補修についてですが、「シンクの天板の交換」になります。
現在でも同じ流し台が生産されている場合は、流し台の天板のみを交換できる可能性があります。メーカーなどがわからない、交換できるのか知りたい、おすすめの交換方法はないか、などお悩みの方はご相談ください。
実際にどのように補修していくのか想像がつかないという方もいらっしゃると思いますので、当社でも多々取り扱っている「キッチンシンクの天板の交換事例」をご紹介します。
こちらの画像のように複数の錆び穴がキッチンシンクに開いてしまっていることがあります。放置すると水漏れがひどくなるので、情報共有ができればと思います。
キッチンのシンクの天板を交換していきます。
【天板を取り外して交換中】
写真の右下に写っている青いフィルムが張られたものが新しいシンク天板です。
【天板交換後】
無事に交換が終わりました。天板が新品になったので、天板が輝いているようだとおっしゃられていたのが印象的でした。
今回は、複数の錆び穴が開いていて水漏れがしていました。 床下や階下への漏水の心配もあるため早めに天板の交換をしておくことをおすすめします。
一旦、応急処置として一時的にコーキングをしておいて、どの補修方法がいいのかをご検討される方もいます。その際には、コーキング時にお伺いしながら調査や点検なども一緒にできますので、その他にも不具合などがないか、水漏れの心配や緊急度はどのくらいなのか、などアドバイスもさせていただくことができるので、お役にたてることもあると思います。
流し台(キッチンごと)の交換と事例紹介:補修方法3
シンク天板の交換が廃盤などにより難しい場合には、キッチンシンクの劣化状況や、水漏れの心配などをチェックした上で、流し台の交換をご提案させていただくことがあります。
上記【補修方法1のコーキングで応急処置】【補修方法2の天板の交換】との違いをまとめると、以下のようになります。
キッチンシンクの補修法 | 補修事例1 | 補修事例2 | 補修事例3 |
補修方法 | コーキングにて応急処置 | 天板を交換する | 流し台を交換をする |
特徴 | 一時的な応急処置としての対処法 | 天板が生産されている場合に、天板交換で補修が可能 | 天板が生産されていない場合に、流し台の交換が可能 |
メリット・デメリット | 応急処置なので、いずれは交換が必要になる(デメリット) | 長期的にみると、最終的には一番費用がかからない(メリット) | 費用はかかりますが、新品のキッチンとなります |
天板のみの交換が難しくなるということも、実際には起こりうると思います。
最近多いのは、天板が廃盤になっているケースです。この場合には流し台を交換していきます。
【流し台を交換中】
キッチンの水漏れもですが、流し台の経年劣化を特に気にされていましたので、キッチンごと交換することになりました。
流し台を取り外しています。ご心配されていたように水漏れの跡も見られました。
【流し台交換後】
無事に流し台の交換が完了しました。経年劣化によるシンクの傷が目立っていましたが、キッチンの雰囲気も変わりました。
こんなに安い金額で流し台の交換ができるなら、もっと早くに連絡すればよかったと喜んでいただいた様子でした。
水漏れを長い間放置していると建物が痛んでいきますので、応急処置をする場合でも、交換をする場合でもお早めに対処しておくことが大切です。
お住まいの状態によって選択を
もっとも重要なのは、状態の把握です。
現在はインターネットやメールなどでも、要望を伝えたり相談をすることもできます。写真を添付するなどして効率よく見積もりを取れるケースもありますので、スムーズかつ簡単にトラブルを解消することもできます。
賃貸アパートや賃貸マンションなどでは、一時的に応急処置をしてから、退去後に流し台の交換をすることもありますし、入居中に天板の交換をすることもあります。分譲マンションや一戸建てなどでも劣化の状態さどを見ながら最適なアドバイスをさせていただいています。
水回りや水漏れの相談などもしながら、お住まいの状態によって賢く選択をしておくのがよいでしょう。