洗濯機の買い替え時に低い洗濯水栓を高さ上げした工事事例
大田区にお住まいのお客様から「新しい洗濯機を買って搬入しに来たのに設置できないと言われた」というご相談をいただきました。家電量販店の担当者から、壁に埋め込まれた洗濯水栓のノズルが洗濯機のフタに当たってしまうため、このままでは置けないと説明されたそうです。今回は当社エコライフが行った、低い位置にあった洗濯水栓の高さを上げる工事について、当日の流れに沿ってご紹介します。
蛇口の高さが低いために新しい洗濯機が設置できないと言われた
今回のお客様は、長年お使いになっていた洗濯機を、新しい縦型の全自動縦型洗濯機へ買い替える予定でした。配送と設置は購入した家電量販店にお願いしていたそうです。
ところが当日、担当者から「洗濯水栓のノズルが洗濯機のフタに干渉するため、このままでは設置できません」と説明されました。新しい洗濯機は箱に入ったまま洗面所の脇に置かれ、接続と設置は日程を延期となってしまったとのことです。
現地を確認すると、洗面所の壁には「シンプレット」と呼ばれる埋め込み式の洗濯混合水栓が取り付けられており、洗濯機の上には専用の台を組んで衣類乾燥機が設置されていました。シンプレットは、水栓本体を壁の中に収めることで、壁からの出っ張りを少なくしたタイプのものです。洗濯機を壁ぎりぎりまで寄せて置けるため、限られた広さの洗面所では便利な製品です。

ただし今回はこの水栓の取り付け位置が低いために洗濯機を置くこと自体はできても、フタを開けようとするとホースに当たってしまいます。
家電量販店の担当者は洗濯機の据え付けと配管接続は行いますが、水道の配管工事そのものは行いません。そのため本日の設置を見送るという判断になります。そこでお客様から、洗濯機を設置できるよう水栓の高さを変更する工事をエコライフにご依頼いただきました。
なぜ洗濯機が設置できなかったのか
「昔は同じ場所に置けていたのに、どうしてだめなのか」と思われる方は少なくありません。理由は、洗濯機そのものが以前と大きく変わってきているためです。
ひと昔前の洗濯機は容量が5kg前後のものが主流で、本体の高さも低くフタも小さめでした。しかし現在は8〜12kgといった大容量のものが増え、本体の背が高く奥行きも大きくなっています。フタの開き方も変わり、洗剤投入口のフタがある製品も増えました。
一方、埋め込み式の洗濯水栓は出っ張りが少ない利点がある反面、10数年前に設置された水栓の場合は取り付け位置が比較的低くなっています。設置当時の洗濯機であれば、水栓と洗濯機の上端との間に十分なすき間がありました。ところが背の高い洗濯機に買い替えると、給水ホースが洗濯機のフタの上を通る形になってしまうのです。
こうなるとフタが持ち上がらず、洗濯物の出し入れができません。無理に開ければホースが引っ張られ、接続部が外れて水があふれるおそれもあります。そのため設置を断られるケースが出てくるのです。
解決方法はいくつかありますが、確実なのは、洗濯水栓の高さを上げることです。水栓の位置を上げてホースが洗濯機の後ろ側をまっすぐ下りるようにすれば、フタとの干渉はなくなります。ただし高くしすぎると、今度は上に置かれた棚や乾燥機に当たってしまいます。上下のすき間を実際に測り、ちょうど収まる高さを見極めることが大切です。
水栓高さ上げ工事
実際に行った洗濯水栓の高さ上げ工事の流れを、写真に沿ってご紹介します。まず作業前に、住宅全体の水道の元栓を閉めて水を止めます。そのうえで、洗面所に置かれていた古い洗濯機と、その上に設置されていた乾燥機を別の場所へ移動しました。床には養生シートを敷き、壁や床を傷つけないように保護します。

次に、必要最小限の範囲で壁を開口しました。埋め込み式の水栓は本体が壁の中に収まっているため、壁を開けなければ取り外すことができません。開口する範囲が広くなるほど後の補修も大がかりになりますので、水栓本体と給水管の位置を確認しながら、慎重に切り取る範囲を決めていきます。

壁を開けたら、埋め込み式のシンプレットを取り外します。続いて壁の中の給水管を、新しい水栓を取り付けたい高さまで延長する加工を行いました。あわせて、管がぐらつかないように壁の中へ下地の木材を入れ、しっかりと固定します。この固定が甘いと、ホースを抜き差しするたびに水栓が動いてしまい、後々の水漏れの原因になります。
壁開口部の復旧
壁の壁の開口部をふさいだ段階で上の写真を撮影しました。
配管の加工が完了したら次に開口した壁を元どおりに戻す作業に移ります。まず、切り取った部分に新しい下地の板を入れ、つなぎ目にパテ(すき間を埋めて平らにするための材料)を塗って表面をならします。ここを平らに仕上げておかないと、上から壁紙を貼ったときに段差が浮き出てしまいます。
今回の現場では、以前のリフォーム工事のときに使った壁紙の余りが保管されていました。そのため、まわりとまったく同じ壁紙で仕上げることができ、補修した跡が目立ちにくい仕上がりとなりました。

ただし、これは壁紙が残っていたからこそできた仕上げ方です。一般的な標準工事では、壁紙ではなく白色のパネル(点検口のふたのような板)を開口部にかぶせて仕上げることが多くなっています。壁紙は数年で製造が終わってしまうものが多く、まったく同じ柄を用意できないことがほとんどだからです。近い色柄の壁紙を貼ると、かえって色の違いが目立ってしまうこともあります。
白色のパネルで仕上げても、水栓の機能や安全性に問題はありません。とはいえ、見た目が気になるという方もいらっしゃいます。エコライフでは、現場の状況やお客様のご希望をうかがったうえで、どの仕上げ方法が適しているかをご提案しています。
水道工事後に内装業者に依頼をして洗面台所全体の壁紙を張替えることも可能です。
なお、リフォームや新築のときに壁紙が余った場合は、少量でも保管しておかれることをおすすめします。今回のような補修の際に、仕上がりが大きく変わってきます。
工事完了・まとめ
壁の復旧まで終わったところで乾燥機を元の位置へ戻し、新しい洗濯機を所定の位置へ設置しました。給水ホースを新しい水栓につなぎ、排水ホースを排水口に差し込んで、水平になるよう脚の高さを調整します。

試運転を行い、給水に異常がないこと、排水がスムーズに流れることを確認しました。もちろん、洗濯機のフタも引っかかることなく開閉できます。給水ホースにも無理な力がかからなくなりましたので、接続部が外れる心配もなくなりました。お客様にも実際にフタを開け閉めしていただき、ご納得のうえで工事完了となりました。
今回のように、洗濯機の買い替えの際に、水栓の位置が原因で設置できないというご相談は決してめずらしくありません。せっかく新しい洗濯機を購入したのに設置を断られてしまうと、どうしてよいか分からず困ってしまわれる方が多いようです。
ですが、設置できないと言われても諦める必要はありません。今回のように水栓を交換したり、取り付け位置を高くしたりする工事で解決できる場合がほとんどです。
できれば、買い替えを検討される段階で、今の水栓の高さやノズルの向きを確認しておかれると安心です。あわせて、洗濯パンの大きさ、排水口の位置、水栓と洗濯機の上端とのすき間も見ておくとよいでしょう。ご自身での判断が難しい場合は、購入前の段階でエコライフ住宅設備までお気軽にご相談ください。
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